投稿日時 2020-12-01 13:41:08 投稿者 nayuta このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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この間まで帆装ハイブリッド船の絵を描いていたのですが。 コンセプトは面白いと思うし、現代の貨物船構造もいろいろ勉強できて面白かったのですが。 絵としては面白くない。 シンプルに、かつ効率よくコンテナを積めるように考えた結果。 直線だけで描く事になりました。 なので、憂さ晴らしの八つ当たりですかねえ。 ごめんなさい、比叡。 比叡という戦艦は金剛級巡洋戦艦4姉妹の2番目でしたが、ロンドン条約の時に改装が遅れていたせいでみそっかす、練習戦艦になりました。 機関を一部撤去され、4番主砲塔も外されたそうです。 何処の世界でも次女というのは損な役回りなのでしょうか。 その後、員数外という事で他の3隻に行われた改装もされずに、皇室ヨットのようなお召し艦任務に就いたりしていましたが。 太平洋戦争前に戦力に復帰させるため、最後に大規模近代改装を行いました。 そうして機動部隊のお守りに酷使されたあげく、日本戦艦で最初にソロモン海に沈みました。 因みに、艦種は最後までみそっかすの練習戦艦のままだったそうです。 不憫な。 改装が一番最後という事で、比叡は大和の先行試作、テストベッドとなり各種新規要素が盛り込まれました。 結構有名な話だと思います。 艦橋は大和と同じような塔型構造となり、方位盤も同じ構造にしています。 ですが、余り大和とは似ていませんよね。 確かに戦力として考えるならば、先行した3艦と余り違うと使い勝手が悪いでしょうが。 少し、物足りない。 ということで。 大和の要素をもう少し、ではなく特盛りで盛り込んでやったら、というテーマで描いてみました。 比叡にとっては迷惑でしょうが。 もうひとつテーマがあって、大和級の要素を盛り込んでも大和の亜種しない、というものです。 大和級は本当に良く出来た戦艦です。 全てに置いてバランス良く、かつ高度にまとめられています。 造形的にも美しいと言えるでしょう。 日本の戦艦は大和級で終わりましたが、大和級以降に戦艦が建造されたなら大和級の改良、拡大、になるのは当然だと思います。 紀伊も尾張も駿河も近江も大和級に似るのは仕方がない・・・・。 ですが。 絵を描く方としては余り面白くない。 言うなれば大学のレポートの作成に、良く出来た先輩のレポートを参考にする、またはカット&ペーストするという感じでしょうか。 誰が描いても同じようになるものを、わざわざ描いても仕方ないですし。 と、いうような事を考えて描いてみたのがこの比叡です。 主砲は前回のリーズナブル山城に使った55口径38.1cm自己緊縮砲(オートフレッタージ)です。 因みに長砲身は砲口初速を早くするためではなく、装薬を節約して低い爆圧、とう圧(とうは月偏に唐)で従来と同じ初速を得るためです。 多分、出来ると思うけど浅薄な知識による判断ですので、違っていたらすみません。 砲口初速を上げて射程を伸ばしても砲戦指揮装置が対応していなければ命中は望めませんし、水平部を狙うならば初速は余り速くない方がいいでしょう。 砲弾重量が増えれば同じ初速でも自動的に射程は伸びますし。 それを3連装砲塔に納めて1番砲塔と3番砲塔に搭載しました。 バーベットは長門級の45口径41cm連装砲塔と同じものを使います。 もちろん大和級の3連装砲塔の先行試作です。 3連装砲塔というものはやっかいなものらしいです。 砲身を一個増やしただけ、では済まないようで。 イギリス海軍はネルソン級で初めて採用しましたが、故障が頻発したそうです。 史上初めて3連装砲塔を採用したのはイタリアで、次にアメリカがネバダ級で採用しました。 そちらがどうだったかは判りませんが。(資料が見つからないので) でも、苦労したのではないかなあ、と。 4連装砲塔でもイギリスのキングジョージ5世級、フランスのダンケルク級で故障が多くて対策に追われたそうです。 日本海軍では最上級の15.5cm砲で初めて3連装砲塔を採用し、そのまま大和級にも採用しました。 両砲とも特に問題なく稼働したようで、最上級の3連装砲は傑作砲と言われたようですが。 ですが軽巡の砲から一足飛びに国運を賭けた戦艦の主砲に、それも史上最大と言える口径の砲に使うというのは大胆というか・・・・。 しかも大和級の装填システムは従来の長門級などのイギリス式、砲弾と装薬を同じ弾薬筺で揚弾する方法とは大きく異なります。 砲弾は揚弾筒で、装薬は昇降機で別々に揚げる方法は、おそらく独自開発だったと思います。 余裕があれば戦艦級の主砲塔で実用試験をしたかっただろうなあ、と。 と、言うことで実用試験のための3連装砲塔です。 2番砲塔、旧3番砲塔はバーベットをそのまま使い、リーズナブル山城と同じ連装砲塔を搭載しました。 連装、3連装砲塔混載です。 大和級の設計案の中には平賀造船官の提案した連装、3連装混載10門艦があります。 ですが、混載の実績は日本海軍にはありません。 海外ではアメリカ戦艦のネバダ級や、イタリア戦艦のコンテ・ディ・カブール級等があるのですが。 もっともネバダ級の次は3連装4基で混載は採用していませんし、イタリアも新戦艦では3連装3基の統一砲塔です。 混載方式には何か運用上の問題があるのか、それを確認するための採用です。 3番砲塔は従来の4番砲塔位置より大きく中央部に寄せました。 どちらにしろバーベットは作り直しですし。 1番砲塔、3番砲塔のバーベット交換と同時に、装甲方式を準・集中防御方式に変えます。 ネルソン級から始まった集中防御方式を、大和級も日本軍艦で初めて採用しています。 ですが、この方式は重要防御区画、バイタルパートとそれ以外の部分との境目で強度的格差が生じます。 船舶は航行中は常に首尾線方向の曲げモーメントを受けますが、強度的格差があった場合そこに応力が集中する可能性があります そうすると境目部分に歪みや亀裂、最悪は断裂などが発生したり。 他にも最上級で発生したようにバーベットが歪んで主砲塔が旋回しなくなる、など。 なので確認評価用としての準・集中防御方式です。 完全な集中防御方式にするには改造では無理だと思います。 同時に上部構造物も、従来の比叡のものより前後に圧縮しています。 大和級は既存の戦艦や各国の新戦艦と比べて、艦橋、煙突を含む上部構造物を小さくコンパクトに作られています。 バイタルパートを短くするためです。 同じスタンスのものがアメリカのサウスダコタ級戦艦ですが、あちらはコンパクトにしすぎてスペース不足などトラブルが発生したそうです。 どの程度までコンパクトに出来るか、図面上では気付かない実用上のデータを採るため、上部構造物をコンパクトにまとめてみました。 副砲は例によって最上級の3連装砲塔を4基、大和級と同じ位置に搭載します。 各国の新戦艦では、副砲を従来の砲郭方式から砲塔方式に変更しています。 主なものでフランスのダンケルク級やドイツのシャルンホルスト級、イタリアのヴィットリオ・ベネト級やイギリスのネルソン級。 軽巡の主砲塔を流用するのが一般的な手法ですが。 ですがこの方式の場合、砲塔下に弾薬庫につながるバーベットや揚弾システムが必要になります。 甲板に据え付けて、砲弾を揚弾装置から運んできて、手作業で装填する方式が従来の方法ですが、それと比べると船体の構造自体が大きく変わります。 日本では大和級が初めての採用でした。 ですので、先行確認することにします。 艦橋構造は史実の比叡でも大和級と同じ塔構造になっています。 が、形状自体は艦橋後部、各フロアにオープンデッキを持つ従来の艦橋と同じです。 大和級は艦橋後方も密閉されデッキも1つだけです。(いろんな機器、探照灯指示器とか、は貼り付いていますが) なので更に大和級に近づけるため、同じような形状にしました。 一方、艦橋前面は別なアプローチです。 艦橋前面のデザイン目的は走行風と爆風の影響を逃がす、です。 下手なデザインだと、最大戦速時や主砲発射時に振動したり揺れたりするでしょう。 艦橋トップには40000m先を測定する測距儀などがあり、揺れや振動は大敵です。 大和級は影響を受けやすい平面垂直ですが、その両側をえぐったり凹ましたりして対応しています。 こちらの比叡は艦橋前面を後傾させ、断面を半円形にして爆風、走行風を逃がします。 半円形状は珍しいですが、アメリカのアトランタ級防空巡やイギリスのイラストリアス級空母の艦橋に使われています。 日本では改装前の青葉級の艦橋がそれで、案外平賀造船官の好みなのかもしれません。 大和の雄々しい感じの艦橋に対し、女性的な嫋やかな感じになるかなと思ったのですが。 よく判りませんね。 高角砲の数は従来の戦艦や重巡の4基に対し、倍です。 発達する航空機に対し、高角砲の数はどれぐらいが適当か。 載せられるだけ載せてみて効果を確認した、という設定です。 8基は多すぎる、という結論になったのでしょう。 でも、結局大和級は12基まで増設しましたが。 (武蔵は高角砲の数が足りなくて、高角砲座に機関砲を積んだそうですが。) 船体後部は大和級と同じような航空設備です。 ジブクレーンやエレベータ付き船内格納庫など。 でも、大和級より甲板位置が1段下なので、必要な容積の格納庫が設けられたかどうか。 まあ、史実の大和の格納庫も水偵などは入っておらず、ただの物置だったとか。 短艇格納庫も大和級を模していますが、甲板位置が低いので開口部は水面ギリギリです。 荒天時は開口部から水が流れ込んだでしょう。 防水扉はあったのでしょうか。 他にも大和級と同じ誘導煙突やマスト形状など。 艦首は盛大なシアとフレアとバルバスバウ。 大和級の新技術をてんこ盛りにして描いてみました。 まあ、大和級に似ているところはありますが、亜種にはならなかったようです。 やっぱり艦橋形状とプロポーションがキーでしょうか。 取り敢えず、それなりに見られるようになったと思うので、良しとします。 |
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